2. S3 Savage/MX & Realtek RTL8139 (最初の挫折)

インストールの前に

エンデバーくんには, Windows と Linux と両方乗せて使うつもりなのだけれど,買ったばっかりの段階では, 10G ハードディスク丸ごと使って Windows98 だけがプレインストールされている.

空き容量は山ほどあるが, Windows 領域にそのまま Linux をインストール,なんてことはできない.というか,少なくともわたしはそーゆー方法を知らない.だから,まずハードディスクのパーティションを行って Linux のための領域を確保しないといけない.

ハードディスクのパーティション&フォーマットというやつを行うと,ハードディスクの内容はきれいに消えてなくなってしまう.だから,ハードディスクの中身を保持したままパーティションを分けるためのソフトもある.

でも,今回は買ったばかりのパソコンで,プレインストールされた Windows98 が消えてなくなっても今のところ痛くもかゆくもない.ハードディスクのパーティションのあと,まっさらな状態でまたインストールすれば済むことだ.

そこでまず, Windows98 をインストールしなおすために, fdisk を使ってパーティション. Windows98 用のハードディスクは 4G もあれば十分だろう.確保した 4G のスペースに Windows98 をインストール.何の問題もなく無事に終了である. LAN 接続も問題なし. Windows はほんと簡単だわ〜〜〜

TurboLinux Workstation 6.0 には, System Commander Lite っていうソフトがおまけみたいについていた.複数 OS を起動時に選択するという, Windows と Linux ,両方使いたいわたしのためにあるようなソフトだ.早速これをインストールする.

さていよいよ Linux のインストールである. TurboLinux 付属のマニュアルによると,最初に,エンデバーくんに使われているハードウェアの情報を調べておかなければならない.これはエンデバーくんを買ってきたときについてきた説明書を見ればわかる.・・・と思ったら,説明書には細かいことが全然書かれていなかった.

でも,エンデバーくんにはすでに強い味方の Windows98 がインストールされているのだ. Windows98 でハードウェアの設定を見るのは簡単,マイコンピュータのアイコンを右クリックしてプロパティを見ればいい.IRQもちゃんとわかるし,プリンタに出力だって簡単にできてしまうのだ.

等,等,その他モロモロ.何も考えずに TurboLinux を買ってきたわけだが,そもそもハードウェア,ちゃんと対応してるんだろうか.ビデオカードがダメだったら XWindow が使えないし,ネットワークカードがだめだったら LAN につなげない.

ま,なんとかなるだろ.なればいいなあ.

エンデバーくんと Linux 氏

続いて本題の, Linux インストールである.エンデバーくんてばちゃんと CD-ROM bootable なので(とゆーか今のパソコンは大抵そう),買った CD-ROM を入れて起動させればそのままインストーラが立ち上がる. CD-ROM は四枚もあるのに,インストールに使うのは使うのは一枚だけみたい.

インストーラーが起動する.なんかいろいろ出てはいるけど,適当に選択して(・・・ということをやるとあとで泣きを見ます),適当に先に進んでしまう.

さて,まず Linux 用のパーティションを切らなければならない.パーティションのツールは, fdisk と cfdisk と二つあり,どっちを使ってもいいようなので, cfdisk の方を使った.何となく, MS-DOS で使う fdisk に似ている. Linux の fdisk のほうはコマンド入力ばっかりでなんだか使いにくそうだけど(なんかややこしい・・・).

いま Windows98 に 4G 使っているから,ハードディスクは 6G 空いている.でも Linux に 6G はまずいらないだろう. 2G くらいでいいかな.

本当は, Linux パーティションって,もっと細かく分けて, /var 用に一個, /usr 用に一個って感じにした方がいいらしいんだけど(ファイルが壊れるとか,なんか困ったことが起こったときに被害が局限できるらしいけど・・・どうせもともと一個のハードディスクだしねえ),どのくらいずつ取ったらいいかもわからないから,一個で済ませることにした.

あと,スワップ用のパーティションもとるが,これはしょせんスワップ用だから少しでいい.

あら? おかしいな. TCP/IP のところでエラーみたいなのがなんかごちゃごちゃ出てる・・・けど,よくわかんないからいいや,とばそっと.

インストールのタイプは,ほとんどのパッケージがインストールされてしまう「開発ワークステーション」というのにした.これだと,ハードディスクを 1G 以上使ってしまう.何がインストールされるのか今ひとつよくわからないけれど,このあたりは後でどうにでもできる・・・できる,はず.いろいろ使ってみたいし.

何か問題が起こって起動しなくなったときにフロッピーディスクから立ち上げるためのブートディスクも作って.

Linux のインストールって大変かも・・・と,それなりに構えていたのだけれど,あとは,説明書に書いてあるとおり,ほとんど機械的に選択していくだけだった.ハードウェアの設定でごちゃごちゃするかも,と思っていたのだけれど,適当に答えていれば結構あっさりインストールできてしまった.そりゃ確かに, TurboLinux のインストールは至極簡単,ってかいてあったけど.本当に,こんなんでいいのかな?

X の設定は,一筋縄ではいきません.

インストール後の最初の再起動で, XWindow の設定に入るようになっていた.この X ってやつもほんとはいろいろ種類があるらしいけど,わたしは XFree86 ってのしか知らない.

キーボードとマウスの設定をして,ビデオカード・・・お,インストール時に全く出番のなかった,せっかくメモったハードウェア情報をようやく使うときが来たのね!

S3 Savage/MX ・・・と.

・・・どれだ? 似たような名前はいっぱいリストされているけど,そのものずばりの名前がないぞ.いいや,適当にそれらしいの選んじゃえ.

あと画面サイズ,フォント,色数・・・そして画面のテスト.

・・・やっぱり,適当に選んだのでは駄目だったらしい.真っ黒の画面になっただけである.

いろいろ設定を変えて試しているうち,色数を減らすと出る場合がある,ということに気づいた.色数を最小の 8bpp にしたときのみ,いちおう X 画面が出る.

・・・そう,出るだけ.

サイズが,異様である.

「こうあってほしい X 画面」の,左上のほんの一部分だけが異様に拡大されて表示されているという気がする.フォントやアイコンがむやみに大きく,右下が切れているのだ.

ディスプレイの解像度とか,全くデータのない水平垂直同期周波数とかをいろいろ試行錯誤してみても変わらない(しかし液晶に周波数って,ちょっと意味が分からないんだけど).ビデオカードの設定を変えてみてもだめだし,そもそも色数 8bpp 以外では何も出てこないのである.

わけがわからないのでいったん終わらせる.これまでの設定には, TurboXCfg っていう TurboLinux 用のツールが使われていたのだけれど,別の, XFree86 に付属している設定ツールを試してみようと思ったのだ. XF86Setup というやつである.

TurboXCfg も XF86Setup もやってることは同じで,同じ設定ファイル「 XF86Config 」を同じように書き換えているはずなのだが, XF86Setup のほうが細かく設定できそうだし.もしかしたら,ということもある.

・・・甘かった.

あと,考えつく方法は・・・設定ファイルである XF86Config を直接手で書き換えるってくらいだけど・・・こんなワザ,初心者にはとうてい無理な話だし.だいたい何書いてあるんだかさっぱりわからない.

X 使えないんじゃどうしようもないわな〜〜というあきらめモードが漂う.

相性最悪かも.

X がどうもうまくいかないので,後回しにして,ネットワークのほうを見てみることにした.考えてみたら,インストールのときになんかごちゃごちゃ出てたから,ネットワークの設定をとばしてしまったんだっけ.だいじょうぶかな〜〜〜?

・・・やっぱりよろしくなかったらしい.ネットワークカードが認識されていないようなのだ.ネットワークカードが使えないということは LAN が無理.今のわたしはインターネットをはじめ,なんでもかんでも LAN 経由でやっているから,これは致命的である.つーか,何のために Linux 入れたんだか・・・.

TurboLinux についている説明書は,異様なほど簡潔不明瞭で,こんな時の対処がわからない.とりあえず電話したら三回までは無料でインストールのサポートを行いますよとは書いてあるけど.三回だけ?

考え込んだすえ,わたしは Linux を終了させ,やはりエンデバーくんにインストールしてある Windows98 を起動した.というのも, Windows のほうなら, LAN を経由してインターネットにつなげるからだ. TurboLinux のホームページに出向いてみることにしたのである.

ユーザー登録とサポート環境登録というものがある.インストールのサポートをしてもらうにはサポート環境登録をしないといけないようだ.登録をしてから九十日間,三回分のインストールサポートが無料になる.

あら? 乗せられて買ってしまった「特典」の VMWare も,ユーザー登録しないともらえないみたい.とりあえず,インストールサポートには関係ないユーザー登録だけをして,ネットワークとか X の設定に関するホームページを探し回る.誰かが同じことで引っかかって解決したってこともあるかもしれないし.ひょっとしたらハードウェアが未対応ってこともあるかもしれない・・・とゆーか,なんだかこっちの可能性が高いような気がしてきた.

まず購入前にもお世話になった,日本の Linux の総本山に行ってみる.ここには, JF という Linux のマニュアル(もとはもちろん英語だから読む気になりませ〜〜ん)を和訳するプロジェクトがあって,非常にありがたい.

JF をあちこち探し回った結果,エンデバーくんのビデオカードに使われている, S3 Savage/MX というやつは XFree86 に正式対応していないというありがた〜〜い情報が得られた.つまり,ふつうにやってたんじゃ X が使えないというわけだ.

おまけに, Realtek のネットワークカードも,カーネルに正式対応してないようなことが書いてある.これは,全然使えない,ってわけじゃなさそうなんだけど, JF のたまわく,「バージョン 2.2 のカーネルでこのドライバを使うには,実験的なドライバを使うかどうかを聞かれたときに 'Y' と答える・・・」だそうである.これがそもそも意味不明なのだ.いつこんなの聞かれるわけ?

詳しい説明をしてくれるホームページへのリンクも示されているんだけど,その先は英語だし,わけわからん〜〜〜知識ゼロのわたしの手には余ってこぼれだしてしまう.

・・・ここは仕方ない,ご縁がなかったということで! こんじょーなしと言ってください.あっさりあきらめることにしました.

とまあ, Linux 氏にはあっさりふられてしまったのだが,とはいうものの,せっかくインストールしたんだし,削除してしまうのはなんだかもったいない・・・と未練がましいことを考えて,しばらくの間ハードディスクの 2G スペースに Linux を入れたきり遊ばせておいた.

ところが,問題は,二つの OS を使い分けるために入れた, System Commander Lite である.どうせ Windows しか起動しないのにいちいち選ばなきゃいけないのが面倒くさい.しかも, System Commander Lite の起動音,何であんなにうるさいわけ?

というわけで, System Commander Lite および Linux のアンインストール. Linux 氏とのおつきあいは始まる前に終わってしまった,・・・かのように思えたのだが.

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