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免許をもらうまで

学科試験を受けに行かなきゃ.

自動車学校を晴れて卒業すると,残る関門はただ一つ,学科試験のみである.学科試験は自動車学校では受けられず,自分の住民票のある県で受験することになる.香川県在住のわたしの場合,高松市郷東町にある免許センターである.

受験要領が全くわからないので,電話して聞いてみる.

「あのう,学科試験受けるのって,事前に申し込みとか要らないんですか」

「必要ありません.直接こっちに来てください」

「いつでもやってるんですか」

「土日祝日・第1・第3水曜日以外はいつもやっています」

「何時ごろ行けばいいんですか」

「受付時間は八時半から九時までです」

免許センターのおねーさんは,過不足なく,実にシンプルに回答してくださった.

忘れちゃいけないもの.自動車学校の卒業証明書,住民票,仮免許証,写真,印鑑,お金.

高松駅から,「免許センターゆき」というバスが出ているが,本数が非常に少ない.どうにかこのバスに乗り終点まで行くが,停留所近くには免許センターなんてないのである.「免許センター前」という停留所名のわりに,免許センターははるか向こうである・・・.

手続きって,どうやるの?

わからなかったら受付で聞けばいいや,とたかをくくっていたのだが,受付前には人が大勢並んでいて,とても悠長に話を聞く雰囲気ではない.周りの人の様子を見ながら,見様見真似で申し込み用紙を書いたはいいものの,これを受付にもっていけばそれでいいのだろうか.

収入印紙の売場が,受付に負けず劣らず混みあっている.もしかしたらあそこで受験料を払うのかな.

やはりそうだった.受験料の2050円分を購入し,これを台紙に貼って,申し込み用紙や卒業証明書,住民票,写真,仮免許証と一緒に受付に持っていけばいいのだ.

受付を済ますと,すぐ視力検査である.また視力落ちたし大丈夫かなと思っていたが,ぎりぎりで合格.この後,学科試験である.

模擬テストで散々やった100問問題だ.なぜか二輪の問題が多く,少してこずった.

売店で買ったキャラメルアイスをなめながら待合室で待っていると,合格者番号が電光掲示板で発表される.わたしの受験番号・・・054,あった!

免許用の写真撮影のあと,免許ができるまで三時間以上かかるというので,時間を持て余す.免許センターの周囲は,ほんとに何にもないのである.

三時間免許センターで過ごすなんて退屈で死にそうなので,高松駅方面にしばらく歩いていくと,幸い,ブックオフが見えてきたので,ここで時間をつぶすことにした.

免許発行.

免許をもらうため再度集合すると,「交通安全協会」の人だという,如才なさそうな男の人の説明がある.交通安全協会に入ってほしいということを立て板に水といった感じでぺらぺらと喋るのだが,こういっちゃなんだけれども,この人むちゃくちゃ胡散臭く見えるのである.

こういう人を見ると,妙な質問をして困らせたくなるのがわたしの悪い癖なのだが,今回はぐっとこらえる.

たとえば,途中で免停になった場合,その間の会費はどうなるんですか,とか,免許取り消しになった場合は,残りの年数の分の会費は返してもらえるんでしょうか,なんてのを是非聞いてみたかったのだけれども.

交通安全協会の会費三年分1200円を納め(これだけけちをつけているくせに結局入会したわけだ),免許発行の手数料分の収入印紙1750円を購入し,免許をもらう.

げ.何この人相.

三年間,この人相とお付き合いしなきゃいけないわけか.

免許写真をとるときの表情には注意すべきだと,しみじみ思ったのでありました.

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