青春18きっぷの旅(1999.12)


18きっぷって・・・

ほぉ〜〜〜,けっこうシンプル.一枚の切符に,1回(人)〜5回(人)の日付を書くところがあるだけなんだ.

「青春」には少々無理があるかとは思わないでもないが,精神年齢の若さ(幼さ?)にはいささか自信がある(自慢してどーするっ!・・・ってひとりつっこみは虚しい).

夜行列車に乗れば切符をフルに活用できていいんだけど,混むのがイヤ.よって,早朝の列車に乗ることにする.

目的地は,四国.なんでかっつーと,単に四国出身だから.つまりこれは旅行というより帰省デスナ.
でも,途中いろいろ寄り道しながら帰るのだ.

さて,なるべく切符を効率よく使うため始発に乗ろうとしたので,家を出た頃はまだ真っ暗である.少し曇ってはいたが,きいろい下弦の月がぽっかり浮かんでいる.一八夜か一九夜くらいかな?

空気は冷たいけれど澄んでいて,とても爽やか.

空がようやく白みはじめたのは,電車が小田原を出る頃になってからだった.

眼の前を太平洋が横に流れてゆき,海と雲の境目はぼんやりしている.水平線近くは厚い雲に覆われており,残念ながら日の出を見ることはできそうにない.

うすずみ色の海と雲,山のシルエットは山水画のようで,雲があわい黄色みをおびた箇所が,背後に太陽の存在を感じさせている.この時刻,空の色は刻々と変化する.

それにしても,夜が明ける前より,日の出直後のほうが余程寒いなあ.太陽が地面を暖めてくれるまで,もうすこしの辛抱.

日が高くなってくるにつれて雲がだんだんなくなり,晴れてくる.

「片浜」という駅を出た頃から,窓から富士山が見えはじめてきた.上のほうは真っ白で,雲も全然かかっていなくて,くっきり見えている.中腹のあたりがぽっこりえぐれたようになっているのもよくわかる.

ところが「富士川」を出たあたりになると,周りの山々のせいで富士山が見えなくなってしまった.・・・残念.

浜松駅にて,

いったん降車.終点でもない駅でなんでわざわざ降りたのかというと,ここにはちょっとした目的があったのである.

その目的とは,「うなぎアイス」なるシロモノである.

とあるホームページでこの不思議な食べものを見つけたときに「いつか食べてやるっ!」と固く心に誓ったのが,このたび実現のハコビと相成りましたわけで・・・

まだ午前十時前で店も開いていないので,九時半から開いている「楽器博物館」を見物することにした.浜松ってところは、楽器ののまちらしい.日本ではじめてピアノを作ったところで,街のそこかしこに楽譜や楽器のオブジェがある.

博物館には,世界の楽器が古いのから新しいのまでいっぱい展示してあって,なかなか見ごたえがあった.ヘッドフォンで音も聞けるし.

ファンタジーなんかでよく出てくる「キタラ」(byグイン・サーガ)のイメージが今ひとつわかないでいたのだが,よーするに「ギター」のことだと判明.ちょっとイメージ崩れちゃった.つーことはマリウスってギターの兄ちゃんなのね〜〜〜.なんとなくぼんやりと,竪琴みたいなものを勝手にイメージしていたのだが・・・.

あと「ファゴット」とか「フィドル」(byロマサガ2)もどーゆーものかわかった.でもあれを持って旅するなんて吟遊詩人って無茶苦茶力持ち.まーRPGのアイテム量ってやつは「おやくそく」だけどね.4次元ポケットでもない限りあんなん持てるかい.

駅前に戻ると,近くでミュシャ展をやっていたので,「何でわざわざ浜松まで来て絵なんか見に行くかな」とおもいつつも覗いてみる.

店員のおにーさんに絵を売りつけられそーになりながら世間話をしていると,「うな茶漬け」のうまい店があるという.・・・ただし一杯2千円ナリ.・・・だれがンなもん食うかっ!!

しかし平気でこんな高いものを勧めるってことは,絵のセールスってもーかるのかしら.・・・一瞬,本気で転職を考える.

あ〜〜ん,うな茶漬けの話なんか聞いたら,食べたくなっちゃったじゃないか〜〜〜! おりよく通りかかった店のメニューにうな茶漬けが入っていたのでいってみた.値段900円.これも結構な値段である.結果は・・・まずいっ!! 塩からい! 金返せ〜〜〜! だった.

浜松っていえば浜名湖のうなぎなのにぃ〜〜〜「うなぎアイス」だってうなぎだしぃ〜〜〜

はっ!!!

そーだっうなぎアイスっ!!(当初の目的をほとんど忘れかけていた)

どこに売ってるんだろ〜〜〜?

さんざん探しまくって見つからず,疲れて駅に戻ってみればしっかりKIOSKで売っていたというオチがつくのである.・・・あの苦労はいったい・・・?

味は,あっさりさっぱりとゆーかんじ.うなぎとか蒲焼のたれとかの味より,山椒の風味が出ている.山椒のふりかけがついてて,お好みによりふってお召し上がりくださいと書いてあったけど,アイスクリーム自体にも山椒が入っているよーだ.ま,つまり,あんまりうなぎの味ってしないよーな・・・とゆーことである.

そーそー,うなぎのお菓子で思い出した.浜松の有名なお菓子,「うなぎパイ」.あれ,「夜のお菓子」なんだとゆーことをご存知だろうか.「夜のお菓子」で,「うなぎ」なんて,なんかすごく怪しい想像してしまいません?

でもその想像はおおはずれ.だって「朝のお菓子」「昼のお菓子」「真夜中のお菓子」ってのもあるんだもん.で,「朝」はすっぽんのパイ(なぜ??),「昼」はえび,「夜」はうなぎで「真夜中」もうなぎなのである.・・・らしい.なんか意味がさっぱりわかりません!!

うなぎアイスを食すという当初の目的は無事に果たし,その後「アクトタワー」ってのに行った.なんか旅行に行ったら展望台とかお城とか,高いところに行って下界を見下ろしたくなる.・・・ん? 誰ですか? バカと煙は・・・なんて思ってるのは?

アクトタワーは四十五階建てなんだけど,まわりに高い建物があんまりないから,すごく見晴らしがいい.東京タワーやランドマークタワーなんかよりよっぽど高いような気までしてくるから不思議だ.

さて浜松はこのくらいにして,

とっとと先に進むとしましょう,と乗った電車は岐阜ゆき.はて岐阜ってどのあたりなのかしらん.方向あってるのかな?沈みかけた太陽ってのは,ほんとうに赤くて大きくってよいわあ・・・なーんて浸ってる場合じゃない,内心はけっこうドキドキものである.

岐阜までこの電車で突っ走るつもりだったけど,豊橋で,大垣行きの快速があることが判明し乗り換え.・・・たしか大垣といえば,最初乗ろうかと思っていた夜行列車の終着駅のはずだ.とゆーことは方向はこれで正しい!

というわけで,本日は大垣泊まりとなりました.駅からすぐのビジネスホテルに宿をとる.サウナつきの大浴場つきだった.ラッキー! 露天風呂もありますって書いてあったけど,ありゃ露天風呂ってゆーのか?単に天井が開いてるだけじゃん.JAROに怒られるぞ.

ところで大垣って,どーゆーところなんだろう?

次の大河ドラマがここ関係のやつらしくって,決戦関ケ原の展示をやるって商店街に,張り切ってのぼりたててるけど・・・これは3月から.

ま,とりあえず大垣城に行ってみる.・・・関ヶ原展示準備のため休館!?くそー.

この大垣城の石垣に,むかし洪水のとき,ここまで水が来たっていう線が刻まれていた.城ってのは,ふつう高いところにあるもんだ.その高いところにあるお城の,石垣にまで水が来たということは,街はほとんど水没したってことになる・・・ひえー.

しかたないので近くの郷土館に行って,ついでにちょっくら足を伸ばして「おくのほそ道むすびの記念館」とやらにも行ってみる.

へー,ここって,芭蕉が4回も来てるんだ.あの芭蕉が歩いた距離って,改めて見るとスゴイねー.電車で行ってもけっこう疲れるぞ,あれは.

行けなかったけど,秀吉の一夜城もこの近くにあるみたい.・・・あれ? この「養老の滝」ってひょっとしてあの居酒屋のルーツ?

地理で習った,「輪中」もこの辺なんだ.そーか,洪水が多いって言ってたよな・・・

つぎはどーしよーかなー.

電車が「関ヶ原」という駅にさしかかった頃から,雨が降りはじめた.関が原か〜〜〜.天下分け目の大決戦の地.

あ,雪だ.いま降っているのは雨なんだけど,地面には雪が積もっている.この辺って雨とか雪とかおおいよなー.

米原で,新快速に乗りかえる.ところが途中からけっこう混んできたので降りるに降りられず,結局終点の姫路まで行ってしまった.

お城を見たくなったので(なんだか古城ツアーめいてきたぞ),とりあえず今日はあまり急がず姫路泊まり.

今日はもう遅いから,明日いろいろ観光しよっと.ゆーわけで,夜は「おみぞ」なんつー妙な名前のついたアーケード街をふらふらして過ごした.

ところが.・・・翌日は月曜日だったのである!!

月曜ってのは,博物館とか美術館とか,全国的に,のきなみ,休みの日だ.まさかお城も・・・?

幸い,姫路城は休みじゃなかった.改装工事をやってる.

しかしまー,この城のでかいこと.これだけのものが当時そのままじゃないにしても残ってるのはやっぱスゴイことなんじゃないだろうか.浜松城とか大垣城とかがかなりちっぽけだったからなおさら感じる.しかも夜はライトアップするらしく,でっかいライトがあちこちにすえつけてあった.

天守閣の近くには,十月桜ってのが十二月にもかかわらず堂々と咲いている.

姫路城の石垣には,石臼とか,いろんな石が使われているらしい.墓石もつかってるって人が教えてくれたんだけど,残念ながら未確認.

城の中は板張りで(当たり前),うすぐら〜〜くて,はっきり言ってサムイ.だからって窓を閉めたら,今度は真っ暗だろう.かなりすごしにくそう.それでも,天守閣の下のほうの階あたりはいろいろと展示があったのだけど,上のほうはなんにもなくて,だだっ広い板じきが広がっていた.階段が急で,けっこう怖い・・・

姫路城の近くには,「好古園」という日本庭園がある.その中の,「活水軒」というところでぜんざいを食べつつ眺めた「御屋敷の庭」はまったく絵にかいたような見事な日本庭園だった.この塀を一歩外に出るとでかいダンプが地響きたてて走ってるんだなー,と思うとなんだかとても不思議な気がする.

冬だから色彩があんまりなくて,人もほとんどいなかったけど,こういう雰囲気もまずまずいいもんだ.

ひとつ不思議なものを発見した.「築山池泉の庭」の池のそばに植わってた背の低い木.あれに生ってた実,ブルーベリーじゃなかろーか・・・

姫路を出ると,あとはまっすぐマリンライナー経由で高松駅に向かう.高松駅の様子がすっかり変わっていてびっくりした.旧駅はもう建物もなく,工事現場になっている.

駅の中にはそこそこ店はあったけど,駅の周りには相変わらずなーんにもなかった.

ま,とりあえず,往・復の往はこれでオシマイ.

復 のほうは・・・

高松での乗り継ぎ時間が30分以上あったので,やっぱりここはさぬきといえば駅うどんでしょう.

・・・高松駅って,決して大きな駅じゃないのに.なんかホーム全部に立ち食いうどんがあるよーな・・・

はて?マリンライナーのホームの店と,改札口付近の店と,なんで値段が違うんだろう?

ちょうどおなかもすいていたし.食べ比べてみました.・・・そんなたいした違いはないよーな気がするんだけど・・・どっちもごくふつーの冷凍うどん,つゆも同じような味だし,しいていえばマリンライナーホームのほうがちょっと葱が少ないかな? ネギの量の差が,十円分の差となって現れるのだろうか.

帰りは寄り道せずにさっさと帰れば,別にどこにも泊まらなくても悠々OKなのだが,それじゃちょっとつまらないので,ちょうど電車が止まった豊橋泊.値段重視の雰囲気無視のやっすーいビジネスホテルに宿を取り,街にGO!

MEIttOビルの4階に,「遊べる本屋」なるものを発見.これって,浜松でも見たよーな気がする.チェーン店かな?TVで取り上げられてるのを見たよーな気もするし・・・

店の名前は,「ヴィレッジ・ヴァンガード」.

・・・うーん,確かに遊べるといえなくもないかな.ごくふつーの本とかおもちゃとかも置いてあるんだけど,なんかみょーな雰囲気をかもしだしている.ひじょーに偏ったジャンルのものが・・・

同人に1コーナーさいてるし,カルト系・トンデモ系の本もいっぱい.ま,ふつーに出版されてるごくふつーの書籍ではあるんだけど,あの規模の本屋さんでカルト系・オタク系・トンデモ系をあれだけそろえてるってのはやっぱかなりかたよってると思う.さりげなく置いてあるマンガの本なんかもずいぶん出版年の古いやつがあったりして・・・店長の趣味?

なんかアヤシイおもちゃもいっぱいあったし.

さあ,せっかく豊橋にきたのだから豊橋らしいものを・・・とゆーわけで,やたら目に付いた「なめし田楽」なるものを食す.「なめし」って何?と思っていたら,単なる「菜飯」だった.よーするに菜っ葉御飯と味噌田楽なわけね.

なめし=>なめし皮,という方向に頭が行っちゃってたんで何ソレ?という感じだったのだが・・・

豊橋駅にて,駅ソバならぬ(もちろん駅うどんでもなく)「駅きしめん」を食す.・・・えらくざっとした作りかただなーと,いやな予感.・・・やっぱり味も,えらくざっとした味だった・・・

さて,麩饅頭という初体験のお菓子をほおばりながら電車に乗り込み,あとは帰還するのみ!

帰りは,行きとちょっと違ったコースで帰ろうかなーっと思っていたのだけれど,なんか混んでるしー.気がつくと,結局行きとまったく同じルートを突っ走っていた・・・

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