大阪ロボット日帰り旅行(2001.7)


ふとテレビをつけると・・・

おもしろそーなロボットがいっぱい出ていた.目玉のお化けみたいなの,人を抱きしめたり握手したりするもの,なぜか大仏の顔をしているもの・・・

どうやら,大阪で,ロボット展をやっているらしい!?

そーゆーあやふやな情報を得たときに必ず利用するもの・・・それはもちろん,検索サイトである.

「大阪」「ロボット」で検索をかけると,それらしいものが見つかった.

http://www.robokansai.gr.jp/
「ロボフェスタ関西2001」

多分これだわっ! とリンク先をたどると・・・そのときは,なぜかつながらなかった.いまはつながるけどね.そこで,おおもとのサイト,「ロボフェスタ」を調べる.
http://www.robofesta.net/

大阪国際会議場,グランキューブ大阪というところでやっていることがわかった.

http://www.gco.co.jp/index-j.html

によると,交通手段にはいろんな方法が書いてある.とりあえず,「JR福島駅(もちろん福島県とは関係ナイ)」というところから徒歩10分だということを覚えておく.

よっしゃ〜〜〜! いくぞ〜〜〜!

香川県,しかも東のほうから大阪に出るのって,むかしはとても面倒で,日帰りなんてまず無理だったんだけれど,今は便利になっている.明石海峡大橋が開通してくれたおかげで,ほぼ30分に一本,大阪ゆきの高速バスが出ていて,三時間もかからずに到着するのだ.

大阪ゆきのほかに,神戸ゆきや京都ゆきも出ていて,便利なことである!

大阪がとっても近くなってくれたので,始発のバスで行き,最終のバスで帰ってきたとしても,朝の9時ごろから夜8時ごろまでたっぷり大阪にいられるのである.

うちの母が以前から,海遊館に行きたがっていたことを思い出し,ついでだから一緒に行ってしまうことにする.ちょっと慌しいかな?

土曜の朝.

出発である.

指定券を買わないまま停留所に向かったわたしたちの目の前に,バスが二台停車した.

何で二台も来るのかな〜〜っと思ったら,予約だけで席がいっぱいになったため,増発便が出ていたのである.これが出てくれなかったら乗れないところだった・・・.

といっても,二号車は半分空席である.これでちゃんと採算取れるのかなあ?

高速道路はできたばかりなので,綺麗で快適である.・・・でもまだ全線開通していないので,板野のICで降りなければならないが・・・

高速道路のあとで一般道を通ると,ひどくがたがたしているように思える.

鳴門のICで再び高速道路に乗り,おのぼりさんまるだしで,大鳴門橋や明石海峡大橋に歓声をあげる母とわたし・・・

母親に,高速バスの平均速度についてウンチクを垂れつつ(前や後ろに座っていた人はさぞうるさかったことだろう),バスは淡路島を縦断して本州に入り,さらに東へ進んで,大阪に着.ま,大阪っていうより,阪急の梅田駅なんだけど.

ついで,福島駅に向かうためJR大阪駅へ.すぐそばなので,掲示を見ながら行けばすぐ到着するんだけれど,大阪駅の中がまた広い.

はじめて来るわけじゃないはずなのに,全然覚えられないんだよな〜〜〜.

切符を買おうと路線図を見つめる.え〜〜と,福島駅.・・・どこだろ?

「あ〜あった.あそこ」

母の指摘によく見ると・・・大阪駅のとなりの駅じゃないの! 運賃120円.こんなに近いとは・・・.

大阪国際会議場は,福島駅から徒歩10分ほど.子供連れの人たちがけっこう大勢歩いていて,その人たちについて行ったらなんとなく到着してしまった.

入場料金1000円を払い,中に入る.なるほど三階と五階が展示場なのね.なぜか,スタッフの数がめちゃくちゃ多くて,「いらっしゃいませ」っていうだけ(としか思えない)ひとがけっこういたけど,ボランティア集まりすぎちゃったのかな.

またまたウ・ン・チ・ク

何かに書いてあったんだけれど,日本ってロボット研究がとても盛んな国なんだそーだ.これが何に由来するかっていうと,当然ながら「鉄腕アトム」.幼い心にインプリンティングされちゃったのかどーなのかよくわからないけど,手塚先生は偉大だ.

そーいやドラえもんのタケコプターを作ろうとしている人たちもいたっけ.

子供向けのマンガやアニメには「巨大ロボットもの」なんてジャンルもあるし・・・日本人って,ロボット好きなんだなあ.つーかメカ好きなのかしら.

といっても,ロボット好きなのって日本人だけの現象じゃないよね.そもそも,ロボットって言葉を考案したのはもちろん日本人じゃないし,有名な「ロボット三原則」だってアシモフさんだし.

洋画でも,ロボットが出てくるやつってかなり多い.A.I.はもちろん,ターミネーターとかロボコップとかもあるし,スターウォーズのC3POとかR2D2もいい味出してるし.・・・つーか,「宇宙戦艦ヤマト」のアナライザーなんか,R2D2をパクったとしか思えない・・・.考えてみたら,銀河鉄道999の鉄郎と父親のからみといい,松本零士ってけっこうスターウォーズをパクってるんぢゃ・・・

あれ? なんか話がヘンなほうにずれちゃった.

とにかく今回の展示のメインは,「人間くさい」ロボット.

五階でちょうど,ASIMOのショーをやっているというので,見に行く.実はわたし,ASIMOを見るのは二度目なのだ.以前,高松のサンメッセ香川にIT関連のイベントで来てたもんね〜〜〜.あの時は,子供たちに風船をあげたりしてたっけ.

でも,何度見ても,この動きはすごいわ〜〜〜なんてなめらかな!

でも,ASIMOのショーはすぐに終わってしまった.

そのあと,五階ではロボコン国際大会の公開リハーサルが始まった.さすが国際大会.MITとかケンブリッジとか言ってるし,しかも英語だし.でもこれはパス.たぶんテレビでやるだろうし.

ステージそばに,みょーにかわいらしいタコのキャラクターがくっついてたのが気になった.

くいだおれ人形?

三階の展示場でわたしたちを出迎えてくれたのは,大阪名物・くいだおれ人形・・・そーかこれもロボットなのね!?

会場のあちこちには,微妙に体をくねらせて枝を開いたり閉じたりする緑色の柱みたいな風船みたいな,・・・なんだこりゃ,ってものがあった.

あれもロボット,これもロボット.そしてそれを見る人,人,人.

会場は,7部門に分かれていた.

なんかさりげなく大阪弁・・・

「ヒトトナカヨクシタイ」は,くいだおれ人形(「くいだおれ太郎」なんて名前があるらしい)を筆頭に,人とコミュニケーションを図るみたいなタイプのやつだ.

目玉のお化けみたいなの・・・テレビでもやってたけど,ドラゴンクエストに出てくるスライム君のツノをもっと伸ばしたようなのに,ど真ん中にでっかい目玉をつけたのがあって,「むー」とか喋ってる.幼児の言語機能云々,って説明がついていた.・・・なんかかわいい.売れば絶対当たるだろうな.

あと,外見は21エモンに出てくるロボットみたいなので,何か話し掛けると首を傾げたりうなずいたりして話を聞いているフリをするやつとか.人を見つめて,「べっぴんさんやな〜〜」などとという大阪弁の虎ロボットとか,パソコン画面上の顔を動かすと,ロボット頭部が同様に動いたりするやつとか.

「アイガホシイ」は,AIBOを筆頭に,今もう売っている,おもちゃロボットの展示だ.

「ウマレタイ」では,ロボット製作体験なんてやってたけど,ここには行かなかったのでよくわからない.

「ヒトニナリタインヤ」は,人の能力の再現を追求したもの.ASIMOなんかこれだ.

ほかには,「ロボビー」ってのが目をひいた.これもテレビでやってたやつだ.外見はものすごくごついんだけど,目玉がきょろきょろ動いて,握手をしたり,だきしめて「ダイスキ」って言ったりする.

「ヒトダスケガシタインヤ」では,乗っている人の視線を感知して動く車椅子とか,リハビリ用ベッドとか,障害物を避けて這い回る虫型のロボットとか,なんか便利そうなの.あと,もう販売してるんだっけ? NECのホームロボットとか.

「ツライケドガンバル」では,防災用ロボットの展示だ.レスキューロボット以外には,悪路でも移動できるような,蛇型や恐竜方・芋虫型のロボットとか,どんな方向にも動ける車とかがあった.

「ユメガミタイ」ってタイトルには,なんだか「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」ってのを瞬間的に連想してしまったけれど,これが一番楽しかった.

江戸時代のからくり人形や,その部品であるくじらのひげもあったし,かの「学天即」の模型もあった.あれ,動いてるところ見たかったなあ.

あと,大阪弁ギャグをするお笑いロボットコンビなど,とにかく遊び心あふれている.名前も,なんかいろいろ工夫を凝らしているみたい.「学校の階段」っていう階段をのぼるロボットもあったし.「AIBA」って名前の馬のロボットには笑った.名前パクったわね!

でも,さすがに,イベント期間の一週間ずっと働きつづけているだけあって,ロボットにも多少ガタが出てきているようで,デモの途中で止まったりするのはまあご愛嬌.モノによっては,叩いたら動き出したりするのもあって,古いテレビや洗濯機を思い出したりなんかして.

特別展示もあった.東京の「日本科学未来館」からのもので,デモが始まる前に,日本科学未来館の様子をしばらく流していた.どうやら東京では別にイベントも何もやっておらず,カメラを館内においてあるだけらしい.カメラの前にどっかのおっさんが陣取って,しばらくの間じ〜〜っとこちらを見つめる,という画像が映っていた.あのおっさんも,自分の顔のアップが遠い大阪に流れているとは思わなかっただろうな.

内容は「ツライケドガンバル」の範疇に入るんだろう,レスキューロボットで,悪路を自在に進める「タイタン」,荷物や人を乗せて階段の昇降ができる「ヘリオス」,瓦礫の中などを進める「蒼龍」である.名前がかっこいいね.

この「タイタン」,動きがけっこう面白いというか,なんか気持ち悪いというか・・・.蜘蛛からヒントを得たそうで,四本足をそれぞれ独立に,なんか生き物みたいに動かしながら,悪路を一歩ずつ進んでいく.ただし,舗装された道路に出たら四本の足を車輪にかえて,その足を微妙に動かしながらまるでアメンボのようにすべるように動く.この動きはなかなかなもので,見ていて気持ちいい.

「ヘリオス」は蛇からヒントを得て,体をくねらせて動く.しかもひっくり返っても簡単に起き上がれる.

それにしても,特にレスキューロボットなんか,とかとか,今まで想像もしなかったものの動きをモデルにしてるやつがけっこうあるなあ.

海遊館へ

ロボットを十分堪能し,今度は母の目的である海遊館.

地下鉄の「阿波座」って駅から大阪港駅に向かうことにするが,阿波座までの道がいまいちよくわからない.国際会議場のそばのリーガロイヤルホテル前にある略地図で方向を確認していたら,客を送り出したばかりらしいホテルのお兄さんが近づいてきた.

「どこまで行かれるんですか」

「あの,阿波座までなんですけど・・・」

ホテルのお兄さんは,とっても親切に道を教えてくれた.しかも,当初わたしが思っていたのとは逆方向・・・

ありがとうリーガロイヤルホテルのお兄さん!

というわけで母と二人でぶらぶら歩いていると,「土佐堀」っていう通りに出た.

「なんか,阿波とか土佐とか,四国みたいな地名がいっぱいあるねえ〜〜〜」

なんてことを言っているわたしたちのうしろをバスが追い越していく.

「いまのバス,天保山ゆきって書いてたね〜〜〜.あれに乗ったら,すぐ海遊館に行けるんじゃないの〜〜〜?」

・・・・・・

おっしゃる通り

電車,電車って思っていたから,バスなんて,全然思いつきもしませんでした.

バス停はすぐそばにあり,しかも都会だから15分に一本くらい出ていて,次のバスはすぐに来た.しかも運賃一律200円,安いわ〜〜.

ひと,ヒト,人・・・

ロボット展もかなり人が多かったけど,ここはさらにお子ちゃまが多くて・・・まあ当然だわ.夏休み中だし,土曜だし,水族館とか遊園地って,普通子供連れで来るもんだわね.

入場すると,すぐ,ドーム型っていうのか・・・横から上までずっとつながっている,丸い形の水槽の通路をくぐる.いや〜〜魚が真上を泳いでいるなんて,ちょっと今までにない体験.

エスカレーターで一気に最上階まで上がり,下りながら魚を見物していく.水槽がでかくて,上から下までず〜〜〜っとつながっているから,陸・海面・海中・海底の順に見ていくわけだ.

かわうそや蟹などから,珊瑚やイソギンチャク,ラッコ・アザラシ・アシカ(アザラシとアシカの区別がよ〜〜わからん)・イルカ・魚いろいろ・サメ・エイ・マンボウ・亀など,ありとあらゆる魚というか,海中生物がいた.というか,鳥・猿・ナマケモノなんて,海中生物じゃないのまでいた.

アザラシ(ひょっとしたらアシカかも?)は,水中からにゅうっと頭を出し,今まで閉じていた鼻の穴を大きく膨らませて息を吸う.なかなかユーモラスだ.

マンボウはやっぱり一匹だけ別に,水槽の中でビニールシート(?)に囲われていた.確か,マンボウは方向転換ができないので,水槽そのままだとぶつかって怪我をしてしまうのだという話を聞いたことがある.ビニールシートに体を押し付けるようにして方向転換をしていた. しかしそれにしても,この水槽は狭すぎると思うけど・・・

マンボウの水槽には,カメラのフラッシュ禁止の旨の貼り紙があったのだけれど,あちこちからパシャパシャ,光る光る・・・.マンボウは別にびっくりしたようには見えなかったけれど,実は相当ストレスがたまっているのかもしれない.

しかし,回遊館内の売店で販売している,いわゆる「レンズつきフィルム」,暗いところでは勝手にストロボが光るのだ.マンボウの水槽があるってわかってて,こーゆーのを平気で売るのもどーかと思う.

・・・とりあえず,「フラッシュ」と「ストロボ」の違いを誰かわたしに教えて〜〜〜

一番大きな,上から下までず〜〜っとつながっている水槽にはジンベイザメの特に大きいのが二匹いて,そのうちの一匹の腹には,コバンザメが背中をぴったりと張り付けていた.のこぎりざめもエイもいたし,ほか知らない魚もいっぱい・・・

この中に,マンボウがいたのである.一匹だけ別にされていたマンボウより少し小ぶりな一匹が泳いでいた.これは,ビニールシートなんかなしで,ほかの魚と一緒に自由に泳いでいる.・・・ナゾだ.

水槽がすごく厚くて,ななめに見るとけっこう見にくいというか,たぶん屈折率の関係だと思うけれどかなり変なふうに見えていたのだけれど,それもそのはず,水槽のアクリル版,厚み30センチもあるんだそうだ.そーかあれだけの水圧を支えるには,それだけ必要なんだな.

タカアシガニなんかは蜘蛛みたいで気持ち悪いので,足早に通り過ぎる.

あと,くらげのコーナーがあった.わたしが知っているのはミズクラゲくらいだけれど,おわんみたいなのとか,えらく触手が長いのとか・・・あれ,切れたりもつれたりしないのかな.あと,子供のくらげがけっこうアクティブなのにはびっくりした.子供って,どんな生き物でも元気なんだなあ.

そろそろかえろっと

遊覧船の「サンタ・マリア号」の出港を見物してから,再びバスで大阪駅に戻る.

香川に帰るのも,もちろん高速バスを使うのだけれど,出発まで少し時間があったので,大阪駅付近を少しぶらぶらする.

ショッピング街の中にはカラフルな魚がいっぱいある水槽が飾ってあった.この魚,海遊館にもいなかったような気がする.なんか得した気分・・・

あと,不思議な噴水があった.イメージとしては,ジャンプして輪くぐりをするイルカ.噴水の中から,細い棒のような水が「ぴょっ」と飛び,空中に固定してある輪をくぐって放物線を描いて落ちてきて,また水に戻る.こんな噴水ははじめて見た.

そうしているうちに発車時刻.・・・とはいえ車がひどく混んでいて,大阪駅からなかなか離れられない.外を見ていると,上のほうにライトアップされたでっかい観覧車が見えた.阪急デパートの上あたりかな.ビルの上にあんな重そうなのが載っているとは,昼間のうちは全然気がつかなかった.

帰りの高速バスはけっこう空いていた.三分の一くらいしか乗っていない.こんなんで大丈夫なの? と改めて心配になる.

あんなに高速道路使って,あんなにスピードだしまくって.ちゃんと採算取れてるの? 今でこそ30分に一本出ているけど,そのうち便数や停留所の数を減らされるんぢゃ・・・?

いまの便利なうちに,神戸や京都にも遊びに行かなくちゃ,という決意も新たにしたのでありました.

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