新潟旅行記(1999.10)


仕事に煮詰まると・・・

どこかへ行きたくなる.典型的な,現実逃避とゆーやつね.

寒くなるまえにちょっと北のほうへいっとこうかな.考えてみたら,東京以北の新幹線ってあんまり乗ったことないし.去年仙台に行ったとき,「やまびこ」と「こまち」のつながったやつに乗って以来だ.しかも日本海方面には,全然行ったことないし.

・・・というわけで,今回は,上越新幹線で新潟ゆきに決定!

決定したら,もーいても立ってもいられない.家にも帰らず,職場から即電車にGO

おりよく(?),帰宅ラッシュに遭遇してしまった.さすが山の手線のラッシュは半端じゃない.ホームに人がぎっしり詰まってて,ホーム自体が見えないんだもんなー.

電車に押し込まれるように乗ったが・・・身動き取れーん!!! ここまで赤の他人に密着するって,ちょっとないぞ.揺れても転ぶ心配ないってのは,利点っていえるんだろーかね.

けどいつもこんなに混んでるわけ・・・?都内に通勤してる人は毎朝毎晩,これなワケ?・・・すげー.

・・・と思っていると,そのうち車内アナウンスが入った.どっか別の線で故障があって,そのせいで電車が止まっているからこんなに混んでたらしい.

まーともかくへとへとになりつつ東京駅にたどり着く.

切符売場は・・・

なんじゃこの人の列わっ!

切符売場の窓口,あんなにいっぱいあるのに,すべてにずらずらずらっと人が並んでいるのでゴザイマス.

なんでこんなに混んでるわけ?

帰ろっかなー,っと,一瞬思う.でもせっかくここまできたんだし・・・ねえ.

上越新幹線の名前は,「あさひ」.なかなか素敵なお名前であるが,さすがは指定席がグリーン含めて全部売りきれてるだけあって,かなりの混みよう.

さて,わたしの乗る新幹線は,ごくふつーの型だったのだけれど,ホームでほけーっとつったってるわたしの前を,めちゃくちゃかっこいい新型の新幹線が突っ走って行くではないか!

あーんあっちにすればよかったよお・・・

そんなことを考えているうちに「あさひ」はワタクシを乗せて走り出した.

席を取れそーもなかったので,ここなら客の乗降もなかろうと,「乗務員ドア・乗り降りできません」とかかれたドアの前に陣取った.そう,ホームについてももちろんドアは開かない.

ホームでドアが開くのを待ってるおぢさんに,別のドアにまわってねー!っと心の中で舌を出す.

・・・ところがっ!ドアが開かないのに業を煮やしたそのおぢさん!なあんと,ドアを手で開けて乗ってきたのである!

そのときはびっくりしたんだけど,次の駅でも,その次の駅でも,み〜〜んな同じよーに乗ったり降りたりしているんだよね.

うーむ,そーゆーもんなんだろーか.

窓から真っ暗な外をぽかんと口をあけて眺めているのもちょっと飽きてきたので(明かりもなんにもなし,ほんとに真っ暗で,ちょっと心細くなるほど),客席のほうにふらふら散歩に行ったら,空席けっこう,あるんだもんなー.

もーちょっと早く,車内をおさんぽしとくべきだった・・・

はて,ホテルは・・・?

てきとーに出てきはしたものの,果たして宿はちゃんとあるかしらん.前に札幌に行ったときは宿を見つけるのにちょっと苦労したし・・・なんか今日はむちゃくちゃ人が多いみたいだし・・・

とゆーわけで,新潟に着いたら,即ガイドマップ購入,安いホテルをさがしてTEL.

「はい,あいてますよー」

ホテルのおにーさんのさわやかな声が,わたしの杞憂を吹き飛ばす.

ホテルでは,お風呂に入りながら明日の計画を練るという重大な使命があるのだ.駅やホテルのロビーで手当たり次第にもらってきたパンフレットの比較検討である.

そーいや佐渡って新潟なんだ.

うん,これはいいかも.トキをみてくるゾっ!

そうと決まれば,よし! 今日はもう寝よう!

朝ご飯も食べずに.

翌朝,港ゆきのバスに乗るべく,早々とホテルを出てきたはいいけれど,船の時間もバスの時間も確認してこなかったから(いきあたりばったり・・・いつもながら)30分以上時間がある.

じゃ,とりあえず朝ご飯だな.

「魚沼産のおいしいお米」(ブランド名忘れた・・・コシヒカリじゃなかったことだけは確か)とやらを使ったおむすび屋さんで,しその実とすじこのおむすびとやらをいただきました.うーん,さすが米どころ.なかなか美味ですな.でも魚沼ってよく聞くけど,・・・どこ?

で,再びバス停に戻るとちょうどバスが来た.このバス,港直行で,佐渡に行く人しか乗らないはずなんだだけど,けっこう混んでるのだ.椅子は全部埋まってて,何人か立ってた.

港は,信濃川の河口付近にある.ここから佐渡の「両津港」に行くわけである.

船は,全席指定のジェットフォイルとゆーやつである.これだと佐渡まで一時間.ちなみにふつーのフェリーを使うと二時間以上かかる.
ジェットフォイルの名前は,「みかど」.けっこうでかい.2階建てで,わたしの席は2階だった.

座っていると,飛行機のエンジンのような音がし始めた.つーか,ジェット機のエンジンそのものなんだけど・・・

座席の配置なんかも,ちょっと飛行機っぽい.前の座席の背もたれには小型のテレビがついてて,自分の座席のちょうど耳のあたりにはスピーカーまで仕込んである.

あ・・・テイクオフ.ほんとに飛行機みたいだな.スピードは70km/hくらい.・・・うーん,けっこう揺れるなあ,やっぱり.

鯨とぶつかることもあるからシートベルトをしろってアナウンスが入っている.・・・これは飛行機にはないアナウンスだ.

途中,姉妹船の「つばさ」とすれ違った.ほんとに浮いて走ってる.前と後ろの2点だけで海面に支えられてるって感じ.

佐渡だっ!

で有名なんだそーだ.地図でいちばん最初に目についた,能の博物館が最初の目的地.

ロボットが能を上演してくれるのである.演目は,「道場寺」.白拍子が女人禁制の道場寺に入ろうと舞を披露するが,踊りのさなかに鐘がおちてしまい,鬼が現れるというお話.

うーん,やっぱりロボットはロボットだよな.動きがぎこちない.せめて阿波踊りロボットくらいにはならんもんかしらん.ま,あれよりゃかなり動きが複雑そうだけど.

へー,能面ってこんなにいっぱい種類があるんだな〜〜〜.
でも能ってよーわからん・・・つーか正直言って全然わからない.まだ歌舞伎のほうが・・・

近くには,いかにも歴史のありそーな能の舞台があって,よく上演されているみたい.

次に行ったのは,トキ保護センター.日本産のトキって,ほんとうにもう「キン」一羽しかいないんだ.「ミドリ」は剥製になってたし.「ニッポニア・ニッポン」という種のトキも,もう中国に少しいるだけ.日本にいなきゃ「ニッポニア・ニッポン」じゃないよなあ〜〜〜.

中国から来たトキを見た.檻の中,双眼鏡を使っても小さくしか見えなかった.人が近くに来たりしたら,それこそストレスで弱ってしまうだろうし.

考えてみれば,動物園の動物って,いつも人に見られて,すごいストレスたまってるんだろうな.

結局・・・

佐渡で観光したものは,能の博物館と,トキ保護センターの2ヶ所だけ.あとはふらふら道を歩いたり,お寺に心ひかれてたちよったり,商店街をぶらぶらしながらごはんとかおやつとか食べたりしてたくらいかな.

たらい舟に乗ったりもしたかったんだけど,疲れたし,場所が遠かったのであきらめた.

佐渡は,車がないとちょっとつらいなあというのが結論.前に屋久島に行ったときにも同じように思ったけど,観光地と観光地の間は離れてるし,バスの本数はすくないし.ま,道端で手を上げるとバスが止まってくれるってのは助かるけど.

でも,トキ保護センターって,そもそもバスが行ってないんだよね.もしかしたら,あんまり観光客に来て欲しくないのかもしれない.いちばん近いバスの路線から,2〜3キロある.その間なんにもなくて,時々もうしわけ程度に,「トキ保護センター」って矢印のついた小さな看板が立ってるだけ.徒歩では,辛いものがある.ちょっと暑かったし・・・

やっぱタクシーを一日借り切って観光してる人が多かったなあ.あと,バスツアーとかね.

さて,お土産でも買っていったん市内に戻るかな.新潟の名産っていうと,基本的に,米・そば・酒(これはまー,米のうちに入るかな?)のイメージだけど,佐渡でやたらと目についたものは,「柿」「トキ」グッズだった.「柿わいん」や「柿酒」なんかもあったっけ.お酒のダメなワタクシとしてはちょっとつまらない・・・

帰りのジェットフォイルは,「ファルコン」って名前だった.びっくりしたのは,座席番号が行きとまったく同じだったこと.船は違うけど同じ場所に座って同じような景色を眺めつつ新潟到着.・・・と言っても,もう外は真っ暗だったけどね.

その日の晩,新潟に着いたときから気になっていた「へぎそば」なるものを食す.盛り付け方がちょっと変わっているだけのふつうのおそばだということが判明した・・・あ,いや,ぢつは「ふのり」っつーものが入ってるらしいんだけど.よくわかんなかった.

新潟市内.

万代とか,信濃川を渡った向こうがわの古町あたりがいろいろお店があって楽しそう.パソコン関係の店がなんかやたらと目についたんだけど,これはわたしの興味がそっちに向いてるからそんな気がしただけかな.でもさすがに,わざわざ新潟まで来てそんなところには行かない.

古町の商店街で,どんどん祭りというお祭りをちょうどやっていて,それをふらふら見てあるいた.そういや佐渡でも,今日はお祭りをやっているはずだ.あちこちに秋祭りののぼりが立ってたもんな.

古町の商店街をひととおりまわってから,また橋を渡ってこっちに戻ってくると,なんかカラフルな縞模様に塗り分けられた塔が立っていて,エレベータが上がったり下りたりしている.その名も,「レインボータワー」.なるほどあの縞模様は虹なワケね.

タワーの周りをぐるぐる回るドーナツ型のエレベータに乗って,昇っていくのである.ゆっくりと高度を上げてゆくうちに,伊勢丹とか,まわりの大きなショッピングセンターが見えてくる.

しかし,いちばん高い100メートルのところまで昇ると,目につくのは,ただただ,信濃川のでかさばかり.新潟ってけっこう大きな市だし,大きな建物もいっぱい建ってるんだけど・・・やっぱ信濃川ってすごい.

このタワー,歩き回らなくても全景が見渡せるっていうのはいいけど,一定時間ぐるぐるしたら否が応にも降りてきてしまうのはちょっとね.もーちょっとじっくり見渡したいよー.

帰りは,「Maxあさひ」という全席2階建ての新幹線に乗れた.をを,コレはたしか,東京駅で指をくわえて見送ったかっこいい新幹線! らっきー.しかも,行きみたいに混んでなくて,自由席でも窓際に座れたのだ.らっきー!

ただ,後ろに座ってたばーさんが新潟−東京間,でかい声でずーっと喋りっぱなしだったのがひたすらうるさかった・・・

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