第1段階の学科教習

第1段階項目1「運転者の心得」

交通規則を守れとか,ごく常識的なこと.問題集を見ていると,「飲酒運転をしてはならないが,覚せい剤は頭をはっきりさせるので服用して運転してもよい」というオソロシイ○×問題があったりして,けっこう笑える.

第1段階項目2「信号に従うこと」

「進め」ではなく,「進んでもよい」.たとえば,交差点の真ん中や停止禁止場所,踏切,横断歩道や自転車横断帯で動きが取れなくなりそうなときは進んではダメ
原則として止まるが,追突されるような危険があるときは進んでよい
何が何でも止まれ
黄の点滅 注意せよ
赤の点滅 一時停止.「止まれ」標識と全く同じ意味

矢印信号:路面電車のみを対象とした矢印信号は黄色.

手信号は,どんな信号であれ,手信号をしている人の正面または真後ろにいる場合は,「赤」の意味になる.

「左折可」の標示板:前方の信号が赤でも左折できる.

軽車両は二段階右折.まず直進してから方向を変換し,曲がろうとした方向の信号が青になるまで待つ.

原付の場合は,二段階で右折しなければならない場合と,二段階で右折してはならない場合が,標識や車両通行帯の数などで指示されている.

信号があるのに停止線がない場合,状況に応じて,停止位置は,「交差点の直前」だったり,「横断歩道などの直前」だったり「信号機の直前」だったりする.

第1段階項目3「標識・標示などに従うこと」

標識 規制標識(主に「禁止」を意味する) +補助標識(主標識の意味を補足)
指示標識(主に「許可」を意味する)
警戒標識(たいてい,ひし形の黄地に黒)
案内標識(一般道は青,高速道は緑)
標示
(道路面に書いてある数字とか記号)
規制標示
指示標示

補助標識:たとえば,駐車禁止の主標識に「ここから」「ここまで」を示す矢印の補助標識をつけ,駐車禁止区間を示したりする.

ポイント:貨物トラックの図があれば必ず大型特殊も含まれる.以上か以下か未満か超えるかをはっきりさせておく.自動車か二輪か原付か,といったような細かいところが重要.

指示標示の「横断歩道または自転車横断帯あり」のひし形は,一つ目が50m手前,二つ目が30m手前.

第1段階項目4「車の通行するところ,車の通行してはいけないところ」

車道を通らなければならないのは「車」(「自動車」でないことに注意.原付はもちろん,軽車両も原則として車道を通らなければならない).

車は基本的に左側を通行する.

一方通行以外は,どの場合にしろ,右側にはみ出す量は少ないほうがいい.

追い越しをする場合は,追い越される車両との横の間隔を1m程度あけるのがよいが,車両通行帯がある場合は直近の右側の通行帯を使用し,通行帯をまたいで走ってはいけない.

安全地帯には何があっても立ち入り禁止.また,歩道や路側帯を横断するときには絶対に一時停止.

歩行者専用道路を通行できる車
沿道に車庫を持つ で,警察署長の許可を受けた車
身障者を輸送する
貨物集配
緊急自動車,清掃用車,郵便車

第1段階項目5「緊急自動車などの優先」

緊急自動車が近づいてきたとき,交差点付近では交差点を避けて左に寄って一時停止.交差点付近でなければ左に寄ればOKで,一時停止の必要はない.

バスの発進を妨げてはダメ.

通行帯区分 通行可となるもの
バス専用通行帯 左折をする場合,道路工事をよけるため,小型特殊・原付・軽車両
バス優先通行帯 一般車両通行可だがバスを邪魔してはだめ

※「路線バスなど」には,路線バスだけではなく,通学・通園バスも含まれる.

第1段階項目6「交差点などの通行,踏切」

右折・左折は必ず徐行!

交差点を右折するときは,道路の中央線側に寄り,交差点の中心のすぐ内側を通って曲がる.ただし一方通行で右折するときは,道路の右端に寄る.交差点の中央付近に右左折の方法の標示がある場合は,標示に従って矢印のとおりに曲がる.

原付は,原則として自動車と同じ方法で右折する.ただし,標識がある,または,同一方向に三つ以上の車両通行帯があるなど,二段階右折しなければならない場合もある.

右折車は,原則として左折車に進路をゆずる.優先順位は,直進,左折,右折の順である.

信号のない交差点では,左から進行してくる車が優先.

見通しの悪い交差点では徐行するが,見通しのよい交差点でも,徐行の必要あり.

歩道を横切るときは,歩道の直前で一時停止.

踏切では,「止まって」,「聞いて」,「見る」.つまり一時停止し,窓を開けて音を聞き,左右の確認をする.列車が非常ブレーキをかけてから止まるまでの距離がだいたい400メートルだから,少なくともそのくらいの先まで見なければならない.・・・こんなことしてる車見たことないけど.横断は,なるべく中央寄りで,歩行者に注意.MTの場合は,ギアは低速.

不幸にも,線路内で立ち往生してしまった場合は,とにかく列車の運転士に知らせる.踏切支障報知装置,発煙筒,煙の出やすいものを燃やす,目立つ色の服などを振る.

踏切に信号機がある場合は一時停止する必要はなく,信号に従って通過すればよい.遮断機の場合は,一時停止要.

第1段階項目7「安全な速度と車間距離」

規制速度 標識や表示で指定されるもの
法定速度 法令で定められているもの.自動車が60km/h,原付が30km/hというアレ

停止距離=空走距離+制動距離

空走距離は運転手が疲れていたりすると距離が伸びる,つまり人的要因となるもので,制動距離は雨が降っていたりタイヤがすりへっていたり重い荷物を積んでいたりすると伸びる,つまり車や道路状況が大きな要因となる.雨が降っていてタイヤがすりへっていたりすると,二倍くらいに伸びることもある.

道路状況が同じ場合なら,速度が速いほど停止距離は伸びる.

速度 空走距離 制動距離 停止距離 車間距離(時速−15)
40km/h 11m 11m 22m 25m
50km/h 14m 18m 32m 35m
60km/h 17m 27m 44m 45m

車間距離は,前の自動車が急ブレーキを踏んだときに追突しない距離,つまり,最低でも停止距離分は必要になる.一般的に,車間距離は,(時速−15)mが適当であるといわれている.しかしこれはせいぜい時速40〜60km/hの範囲のことで,高速道路なら(時速)mは必要である.

急ブレーキは禁物で,ブレーキペダルを数回に分けて踏むことでブレーキランプを点滅させて後方車両にブレーキをかけていることを示し,追突されるのを防ぐ.

第1段階項目8「歩行者の保護など」

停止中の路面電車に追いついたとき
安全地帯 乗降者 路面電車との間に1.5mの距離 行動
なし あり 後方で停止して待つ
なし あり 徐行して通行
あり
横断歩道・自転車横断帯を通るとき
横断する歩行者・自転車 行動
いないことが明らか そのまま進む
いるかいないかよくわからない 徐行
いる 一時停止

停止中の通学・通園バスのそばは徐行

※徐行:ブレーキを踏んだら1m以内で止まれる速度で,時速10キロ程度.

第1段階項目9「安全の確認と合図,警音器の使用」

合図のタイミング:右折・左折は30m前,進路変更は3秒前.

道路を走るときは,左車線の左側寄り(keep left)で走るが,広い道路を右折する際は,右折する30m前くらいには,あらかじめ道路の中央に寄っておかなければならない.つまり,項目10で学ぶ「進路変更」である.進路変更のための合図は3秒前ということで,この場合の手順としては,

合図→三秒→右へ進路変更→30m→右折

となる.合図を出す場所は,距離にすると,実際に右折する70〜80メートルは前になる.

合図を出すのはいいが,安全確認を忘れてはならない.

安全確認→合図→安全確認→ハンドル操作

という手順が重要である.

警音器は,原則として鳴らさないが,標識には従わなければならない.「警笛鳴らせ」標識では,標識のあるところで鳴らし,「警笛区間」標識は,区間内の交差点・曲がり角・上り坂の頂上で鳴らす.

第1段階項目10「進路変更など」

黄色の車線(レーン)境界線(中央線ではない)では,車線を変更してはならない.これは交差点前などに多い.さらに,境界線が黄色と白の二本構成になっている場合は,白の側→黄色の側はOKだが,黄色の側→白の側はできない.

「横断」という言葉の意味:交差点でないところで道路を横切ること.ほかの車の迷惑にならないようにしなければならない.「横断禁止」「転回禁止」などの標識にも注意しなければならない.

第1段階項目11「追い越し」

追い越し 「車」が進路を「変えて」,「進行中」の「車」の「前方」に出ること
追い抜き 「車」が進路を「変えないで」,「進行中」の「車」の「前方」に出ること

「車」とは?・・・「車」または「車両」とは,自動車・原付・軽車両(自転車,リヤカーなど)をさす.

「二重追い越し」になる場合は,追い越してはならない.

ここで,「二重追い越し」というのは,前の車が「自動車」を追い越そうとしているときに追い越すことである.「自動車」には「原付」や「軽車両」は含まれないということが重要.つまり,自動二輪を追い越している車を追い越すのはだめだが,原付を追い越している車を追い越すのはよい.

「前の車が右折などのために右側に進路を変えようとしているときは追い越し禁止」,「前の車が右折などのために道路の中央に寄って通行しているときは左側から追い越す」,つまり,進路を変えている最中は追い越し禁止,進路を変えてしまった後は追い越しOKってわけ.

追い越し禁止の場所は,道路の曲がり角付近(「付近」というのはおおむね30m程度,「近く」となると10m程度)・トンネル(ただし車両通行帯があれば追い越し可)・交差点から30m(ただし優先道路通行中は追い越し可)

「はみ出し追い越し禁止」と「追い越し禁止」の標識の違いは重要.

第1段階項目12「行き違い」

安全な側方間隔を保つことが重要である.

坂道の場合は上りが優先するが,待避所が近くにあれば上り下りに関係なく近いほうが待避所で待つ.

がけに面した道路の場合,がけ側が停止する.

第1段階項目13「運転免許制度,交通反則通告制度」

免許の種類
第1種 8種類
第2種 運輸省管轄となり,教習所では取扱えない.4種類
仮免 技能と学科のクリアでもらえるが,第1種免許を通算して三年以上受けている,または第2種免許を受けている人が同乗していなければ運転はできず,仮免許練習標識を車の前後の定められた位置につけなければならない.また有効期間は六ヶ月

大型免許は,20歳以上で普通免許か大型特殊免許を受けていた期間が2年以上なければならない.

第2種免許は,21歳以上で大型または普通または大型特殊免許を受けていた期間が3年以上という条件をクリアしなければ受けられない.

どういう免許でどういうものが運転できるのか,また,普通と大型の違い(総重量8トン,最大積載量5トン,乗車定員11人以上が大型).→4トントラックは実は普通免許でOK.

また,初心運転者制度も重要.初心運転者期間(一年間)は点数が3点しかなく,この3点分違反してしまったら初心運転者講習を受けなければならない.

第2段階の学科教習

第2段階項目1「危険予測ディスカッション」

第2段階項目2「応急救護処置I」

意識の確認→気道の確保→呼吸の確認→人工呼吸2回→脈の確認→(心臓マッサージ10秒15回・人工呼吸2回)を1分(4回くらい)繰り返し→脈の確認・・・の繰り返し.

第2段階項目3「応急救護処置II」

第2段階項目4「死角と運転」

見えないところに何がいるか,危険を予測して運転する.

第2段階項目5「適性検査結果に基づく行動分析」

総合評価 1〜5
状況の判断 1〜10
動作の正確さ
動作の速さ
衝動抑止性
神経性傾向 1〜5
回帰性
感情高揚性
攻撃性
非協調性
自己顕示性
一般的に「精神年齢」といわれるものだそーである
E〜Jの合計
6〜30

第2段階項目6「人間の能力と運転」

認知・判断・操作.中でも認知は最重要である.

ブレーキがきき始めるまでの反応時間(反射時間+踏み変え時間+踏み込み時間)=一秒ほど.

動体視力は静止視力より低く,速度が早いほど低くなるのは経験上よく知っていることである.また速度が速くなると視野が狭くなる.

順応には明順応と暗順応があり,暗順応のほうが時間がかかる.

錯覚:二輪の距離を実際より遠くに見てしまう.同じ距離でも,小さい車は遠くに感じる.

運転中眠くならないように窓を開けるのはいいが,もし眠気を感じたら抵抗せずに,車を安全なところにとめて寝る.

幻惑防止のために左前方を見るのは正しいが,幻惑されてしまったら停止する.

第2段階項目7「車に働く自然の力と運転」

遠心力・運動エネルギー(=衝撃力)・制動距離は,車の速度の二乗に比例する.

また,カーブの半径が小さいほど遠心力は大きい.

下り坂では,フェード現象・ベーパーロック現象にならないようにエンジンブレーキを活用する.坂道ではゆずりあいの精神が必要である.坂道に限らないけど・・・.

第2段階項目8「悪条件下での運転」

雨の日は,ハイドロプレーニング現象に注意.

第2段階項目9「特徴的な事故と事故の悲惨さ」

二輪の服装:夜間は反射性の衣服,反射材のついたヘルメット,ヘルメットのあごひもはしっかり.

第2段階項目10「自動車の保守管理」

適切な時期に車を点検せよ.

日常点検(一日一回,運行する前に点検)
運転席まわり ブレーキは,止まったときと運転しているときの両方,点検を行う.ブレーキ液漏れや空気混入が踏みごたえの異常となって現れることがある.もし故障しているときは車を走らせずに修理屋に来てもらう.またハンドブレーキの引きしろは適度か?
アイドリングの音(点火プラグのチェック),真っ白な煙が出たらオイルもれの危険がある.
ウィンドウォッシャ液がちゃんと出ているか,ワイパーのゴムは?
エンジンルーム関係 ウィンドウォッシャタンク液量確認.ブレーキリザーブタンクに液漏れがないか.バッテリ液はゆすってみて液量を調べる,不足していれば蒸留水を補充.ラジエタは,熱いときにはキャップをあけないで,リザーバタンクを調べる.この液体は不凍液である.
エンジンオイルには,防錆・洗浄・冷却・磨耗軽減という役割があるが,3000km〜4000km走るごと,または6ヶ月ごとに交換するのがよい.
ファンベルト(クーラーベルト)に適度なたわみがあり,傷がないか.
自動車のまわり 灯火.ライトの上向き下向きなども見なければならない.
タイヤの空気圧.横の亀裂はバーストの原因となる.磨耗については,ウェアインジケータという△印を参考にする.
その他 エアブレーキがある場合は,エアタンクのドレンコックから水をぬいたりもしなければならない.
二輪の場合はチェーンの張り具合に適度なたわみがあることも確認しておく.
定期点検
三ヶ月ごと 事業用
大型乗用,大型貨物
レンタカーの普通貨物
六ヶ月ごと 普通貨物,大型特殊,幼児専用
125ccをこえる自動二輪
レンタカーの普通自動車
一年ごと 普通自動車,660cc以下の貨物

第2段階項目11「駐車と停車」

駐停車禁止
標識
軌道敷内
坂頂上・勾配急な坂
トンネル(通行帯があろうがなかろうか)
曲がり角
横断歩道
自転車横断帯
交差点
踏切
安全地帯の左側
停留所(始発〜最終)
前後5mの間 前後10mの間

たとえば,横断歩道から5m以内で,信号待ちの間に友達を下ろしたというのは駐停車違反となる.

停車禁止
標識 火災報知機 車庫・駐車場の出入口 道路工事
消防器具庫
消火栓
消防水利
1m 3m 5m

また,車の右側3.5mの余地が取れないと駐車してはダメである.

以上の条件をクリアし,駐停車する際,場所により方法が微妙に異なる.歩道や路側帯がなければ道路の左端,歩道があるときは車道の左端,路側帯幅が0.75m以下のときは車道の左端,0.75mを超えるときは0.75mの余地を開けて路側帯内に.ただし路側帯内に入る前に一時停止すること.さらに,駐停車禁止路側帯と歩行者専用路側帯の中に入っては駄目.

また,高速道路では,路側帯の中に止める.歩行者はいないので一時停止はしない.

昼間は12時間,夜は8時間駐車してはならない.

MTのギアは平地や下り坂ではバック,上り坂ではローに入れる.

車の保管場所は自動車使用の本拠の位置から2km以内.

第2段階項目12「乗車と積載」

荷台には荷物の見張りのため必要な最小限度の人を乗せられる.「積み下ろしに必要な人」ではないことに注意.

第2段階項目13「けん引」

ロープなどでけん引する場合,0.3m×0.3m以上の白い布をロープにつける.

第2段階項目14「交通事故のとき」

事故を起こしたら,車を安全なところに移動してから警察に通報,負傷者は不用意に動かさない.怪我がないように見えても病院へ,警察に届ける.

第2段階項目15「自動車の所有者等の心得と保険制度」

強制保険に入らないと自動車の検査が受けられない.自動車は検査を受けないと運転してはならない.・・・>> すなわち強制保険に入らないと運転できない.という三段論法.

第2段階項目16「経路の設定」

第2段階項目17「高速道路での運転」

高速道路を走れる車,走れない車.高速自動車国道と自動車専用道路の違い.トラブルの対処.

最高速度は,大型貨物・大型特殊・けん引・三輪が80km/hで,ほかは100km/h.

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